不思議の国のアリス(佐々木マキ・高山宏版)
不思議の国のアリスはお好きでしょうか。
僕は世界観が好きで鏡の国のアリス、地下の国のアリス、関連書籍も含めいくつか読んできました。
ただ、読んだのはけっこう前になるので頭の中で話が混ざっちゃっている感があります。
今日はそんな少し忘れがちになってしまったアリス、不思議の国のアリス 佐々木マキ・高山宏版について書きたいと思います。
以前読んだ不思議の国のアリスは別のバージョンで、このバージョンは初読となります。
以前読んだのは角川文庫 和田誠・福島 正実版で、和田誠は村上春樹の表紙絵でよくお見かけするイラストレーターさんですね。
今回ご紹介する挿絵担当の佐々木マキも村上春樹の表紙絵などで有名ですが、アリスの絵を担当されることで知ったこちらの一冊なんですが、『不思議の国のアリス』刊行150周年記念出版、高山宏の新訳とのことです。
訳の高山宏は他にもアリス関連の著書がある方で、それらの本については持ってはいるもののまだ読めていないです。。。
さて、海外の小説は訳によって印象がガラッと変わることがあるのでこのアリスも楽しみです!
読み始めてみると
同じ本を読み比べということはあまりしたことがなかったのですが、読み始めたところ当たり前ですが今風になっていて、昔はどうだったんだ?と気になってしまい以前読んだ角川文庫バージョンと読み比べてみました。
新
- ~みたく
- いますぐ止めるの!
- 宅配便
- おいぼれじゃん
旧
- ~みたいに
- いますぐ泣くのはおやめなさい
- メッセンジャーに持たして~
- あんたももう年だ
このあたりはまあいい感じかもと思っていましたが、
新
地球は24時間かかっておのれを回す 斧を回して
旧
自転軸(アクシス)のまわりをまわるのに 斧(アックス)といえば
これはちょっと新しい訳はなんか違う!でもこれも好みですかね~。
こんなのばっかり気にしていると全然先に進まなかったので、ちょっとこういうのはおいておいてお話を先に進めました。
読み終えた感想
やっぱりおもしろい!夢を見たかのようなお話だった!
夢はあまり覚えていられないんですよね。このお話も読んでいる間だけ夢の世界に入ることのできる稀有なお話の一つだと思います。
後半の歌や詩もへんてこすぎてもう思い出せないですよ(笑
著者ルイス・キャロルは数学者と紹介されることがあるのですが、アリスを読んでいると論理学者のほうが強いのだろうなと感じます。(不思議の国の論理学という著書もあり、こちらもお店で読めるようにしたいと思っています)
三月兎、マッドハッターとのお茶会(茶会の名前は”気がふれ茶った会”)のやり取りも、論理学をずらしておかしな話にするところなどはまさにその典型のように感じました。
佐々木マキの絵についても素晴らしかったです!
独特のタッチで描かれるそれぞれのキャラクター。まずもって表紙絵がいい!
挿絵の使われ方も文中に割り込んでくるような躍動感溢れる使われ方がしています。
この絵のおかげもあって、この世界に入り込めたのだと思います。
いやーこの絵がホントかわいいので額に飾りたくなる。
物語の最後は現実の世界に戻ってきたアリスがお姉さんの膝枕から起き、そのあとお姉さんの夢の話になるというこの終わり方も忘れてしまっていましたがいいですね!
余韻を残したふわっとした感じが読後も続きます。
訳者あとがきにて
先に書いた訳者の別の関連書籍とは”詳注アリス”という本なのですが、訳者あとがきにてこちらについても書かれていました。
まだちゃんとは読めていませんが、かなり変態的な本だと思っています(笑)(こちらの本もお店に置く予定です)
訳すのはとても大変だったようで、逆に今回の”不思議の国のアリス”については楽しく翻訳できたとのことでした。
ご紹介した不思議の国のアリス 佐々木マキ・高山宏版はお店でも読めるようにしたいと考えていますのでオープンしたらぜひお手にとってみてください。
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次回は上越での物件探しについて書きたいと思います。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。