小説「葉桜の季節に君を想うということ」
桜も落ち着いて葉桜になり、そして緑が濃くなりました。
こんな季節に思い出す、歌野晶午著「葉桜の季節に君を想うということ」のご紹介です。
この小説ははじまりの数十ページを読むと、くさいハードボイルドのような雰囲気を醸す(これはわざと)なんだかな~と思ってしまう小説です。
しかし、この小説は各所でどんでん返しの代名詞のように紹介される小説です。
最初のほうはクサイ感じかもなんで少し我慢して読んでいただけるといいかなと思います。
あらすじ
「何でもやってやろう屋」の成瀬将虎がフィットネスクラブで知り合った愛子から悪徳商法業者の調査を依頼されます。
同じころ自殺を図ろうとしていた麻宮さくらを助けることでデートを重ねる仲となります。
そしていつしかそれぞれの話は交錯していきます。
途中のエピソードと見どころ
悪徳業者に関するお話や、将虎が探偵業をやっていたお話、将虎のPC教室の生徒さんから依頼を受けて調査をするお話などなどがあります。
なかなか緻密に構成されていて、幾重にもトラップが重ねられています。
1つや2つの仕掛けじゃ物足りないなんてお方には超おすすめです。
後半思いもよらないことの連続で読む手が止まらないですよ!
エンディングの余韻
タイトル通り、葉桜というものは花が散ったあとに訪れるものなんですよね。
桜の花はきれいかもしれませんが、散ったあとの木々の美しさや、秋になった葉が落ちる情景をどれだけの人が見ているんでしょうか。
声を大にして言いたい!美というものは見いだすものなんだと(なんだかえらそうな発言だなw)。
少し長いお話ではありますが、エピソードごとにわりときっちり話が分けられていて読みやすいです。
オープンしましたら読めるようにしたいと思っていますのでぜひお手に取ってみていただければと思います。
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次回は古い本を並べるについて書きたいと思います。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。