懸賞作文落選
今年(2025)の夏ごろ、たまたま懸賞作文というものを見つけました。
色々と忙しく動いていたのであまり気にとめていなかったのですが、え、選ばれたら3万円もらえるの・・・、ということに惹かれて送っていました。
テーマはほっこりした話みたいなのだったと思います。
一人一つまでということで夫婦そろって出してみましたが、夫婦そろって落ちました。
く~、やはり文才がないか・・・。
ただ、せっかく書いたのでどこかに載せたくてここに書くことにしました。
王子くんとゴマちゃん
僕は生まれたときから犬と暮らしていたせいか、なぜか犬にはよく好かれる。
なんて何にも珍しくもない僕の話。
僕たち夫婦は東京都杉並区から新潟県上越市に移住してきた。
もう2年が経つ。
「2年なんてあっという間だった」なんて言うのは嘘で、慣れない土地での暮らしや将来の準備に追われ長く感じた2年間だった。
夫婦ともに在宅で仕事をしているため、日中は家でパソコンに向かってばかり。
関わる人の多くは、画面の向こう側にいる。
せっかく移住してきたのに地元に馴染めているとは正直言い難い。
そんな僕たちの日課は近所の散歩だ。
仕事終わりにコンビニやスーパーへ歩いて向かう。
その道すがら近所の犬たちと仲良くなることも多い。
中でもゴマちゃんというワンちゃんとは特別な関係になった。
飼い主さんとは当初まったく面識がなかったけれど、ゴマちゃんをきっかけに少しずつ言葉を交わすようになった。
一方で僕は猫に嫌われがちだ。
何もしていないのに目が合うだけで「シャー」と威嚇される。
だから猫には近づかないようにしていた。
そんな僕にニャーと声をかけてくれたニャンコが王子くんだ。
最初は信じられなかったがいつしか当たり前のように王子くんと遊んでいる。
その飼い主さんもご近所の方で王子くんと遊ぶうちに交流が生まれ、今では山菜までもらってしまっている。
ああ、こういう溶け込み方もあるんだなと、今ではしみじみと思う。
僕はいま、上越で小さなカフェを開こうとしている。
せっかく仲良くなったゴマちゃんも王子くんも、ぜひ遊びに来てほしい。
そしてもし僕のように馴染めずにいる誰かがいたら、彼らがそっと寄り添ってくれたらいいなと願っている。
近所のこどもたち
こどもって場所によって違うんだなって思う。
私は上越出身で、夫は大阪出身。
東京で出会い結婚し10年以上一緒に暮らしている。
とあるきかっけで私の地元上越に住むことになった。
家は中古で、いつか家でカフェを開きたい、そんな夢を持って買った家だ。
この家は数年間空き家で、そのままだとカフェどころか普通に住むこともできない状態。
それでもこの家を選んだのは前に住まれていた方の遊び心に惹かれてだった。
たまたま私も夫も在宅で仕事をしていたので気長に片付けや掃除をしてDIYしながら家を作ることにした。
ある日、夫がコンビニに行ってくると家を出ていった。
あ~天気もいいしお散歩にもいいな~なんて思いながら見送った。
そんなにコンビニも遠くはないのに少し遅いな、なんて思っていたら夫が帰ってくるなり「小学生に身長聞かれた!」と息まいている。
「は?」意味が分からない。
話を聞くと、この辺のこどもたちはみんなに挨拶をしましょうと習っていて本当にそれが実践されているようだ。
さらに話を聞くと、最初はこんにちはと元気よく挨拶をされて通り過ぎようとしたら目の前に立ちはだかり、しっかりと目を見て「身長何センチですか?」とこれまた元気よく聞かれたというではないか。
都会から久しぶりに地元に戻った私にとってはにわかに信じられない光景だった。
だって今まで道を歩いていて知らない小学生にいきなり話しかけられたことなんてないもの。
そう聞かれた夫は186センチと答えたそうだけど、過ぎ去っていくこどもたちは口々に「デケーな!」「バスケットやってんのかな?」と話していたそうだ。
こんないい子たちがそのまま素直に育ってくれて、いつか町のはずれの私たちのカフェにでも来てくれたらな・・・。
ふとそんな思いがよぎった。
そのときはこちらからなんて声をかけようか。
やっぱり「身長大きくなったね」がいいだろうか。
まだカフェを絶賛作成中だったときの話ですね!
私たち夫婦はこの2つのお話がとても好きです。
こんないい所(上越)なかなかないと思うんですけどね~。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。









